腰痛を予防するために




お腹がふくらむ妊娠中期。
さて、この時期に気をつけていただきたいのは、腰への負担です。大きくなったお腹を支えようとするので背骨が反り返り、カーブを描くため、腰に負担が掛かりやすくなるだけでなく、ホルモンの影響で、背骨や骨盤の関節がゆるむので力が弱くなり、体重を支えきることができなくなってしまうため、お母さんの腰には充分気をつかってあげてください。
お母さんの腰痛は妊娠すると自然と引き起こされる生理的なものなので、残念ながら完全に解消する方法はありません。赤ちゃんが生まれるまでは、この腰痛とお付き合いしていくことになるでしょう。
しかも、腰痛が本当に辛くなるのはこれから。妊娠後期に入った頃にはさらにお腹が大きくなるので、多大な腰に負担がかかり痛みが増すことがあります。
腰痛を完全に解消したり予防するのは難しいですが、せめて今のうちから腰に負担がかからない姿勢を保ち、適度な運動で血行を良くすることで、腰への負担をできるだけ減らすようにしましょう。
特に長時間、同じ姿勢を続けるのは避けるようにしてください。疲れたら横になって休むことも大切。
しかし、中には妊娠中でもお仕事を続けているお母さんもいるかと思います。仕事中に横になるのは難しいですが、上司に相談して休憩を小分けにしてとるようにするなど、お母さんにとってもお腹の赤ちゃんにとっても無理のない環境で働けるといいですね。
楽な姿勢をとっているのに痛みが続くようでしたら、椎間板ヘルニアなど他の病気の可能性もあるのでお医者さんに相談するようにしましょう。

妊娠中の腰痛をひどくさせないためには、日常生活でも注意が必要になります。

【料理のとき】
 立ちっぱなしの姿勢は腰によくないです。
 キッチンに椅子を置くなどして、時々座って休んだり、低い台に片足を交互に乗せると筋肉の緊張がやわらぎます。

【掃除のとき】
 柄の長さを調節して片手で持つようにすると、背筋が伸びて腰が楽になります。

【いすに座るとき】
 背もたれに背をつけるよう意識して、背筋を伸ばし深く腰掛けます。

【階段の上り下り】
 背中が曲がらないようにしっかり背筋を伸ばし、重心を片足に乗せてから、もう一方の足を移動させてください。

【床に座るとき】
アイロンがけなどをする際には、床に座るときも、台の高さを調節してまっすぐな姿勢を保つようにしてください。


なお、ストレッチも効果的です。
猫のように四つん這いになったまま背中を丸めたり背骨を反らしたりを繰り返したり、仰向けになり両ひざを立てて握りこぶしで腰の気持ちよい部分を刺激しながら両ひざを左右交互に倒して腰をひねる、など。
腰痛はどんどん辛くなってきてしまうので、お母さんは日頃から気をつけてください。