妊娠10ヶ月(36〜39週)




毎日、お母さんのお腹の中で成長している赤ちゃん。
妊娠してから39週目に入った頃には、赤ちゃんの頭が骨盤の中に入るので子宮が下がり、子宮底長は約33cmになるそうです。もしかしたら赤ちゃんがいるお腹のふくらみが、先月よりも少し低い位置になったように思えるかも知れませんね。

赤ちゃんがお母さんの身体から出てくるのに必要な時間…つまり出産予定日は40週0日であると言われていますが、実際のところ出産に適した期間には幅が見られます。一般的には37週0日〜41週6日を正期産と呼びます。
この頃になるとお母さんの身体にもまた変化が見られます。
例えば、妊娠10ヶ月が過ぎた場合、子宮が下がることで今までのように胃を押し上げなくなるため、胃もたれが楽になります。しかしカロリーオーバーにならないための注意は引き続き必要になります。また、子宮が下がることで膀胱が圧迫されるため、トイレに立つ回数が増えるかと思われます。
この頃になると今まで感じた赤ちゃんの身体全体が動くような大きな胎動はあまり感じられなくなりますが、これは骨盤の中に赤ちゃんの頭が入ったからなので心配しないでくださいね。
子宮口や膣がやわらかくなるため、水っぽいおりものがさらに増加します。

いよいよ出産が近づいてくると、身体が幾つかのサインを発するようになります。
おりものの中に少量の血液が混じるようになったら、大体の場合は数日後に陣痛が始まります。ちなみに、これをおしるしと言います。
また、それまでは不規則だった子宮の収縮(前駆陣痛)が10分間隔の規則的なものになったら、いよいよ陣痛が始まります。
病産院に連絡を入れておきましょう。この時、事前に入院の仕度をしておくとすぐに病産院に迎えます。
なお、普通破水は陣痛が始まった後におこりますが、陣痛が始まる前に「前期破水」として起こる場合もあります。その場合も感染が心配なので、すぐに病産院へ向かうようにしてください。

こういった幾つかのサインがありますが、おしるしから始まるか、陣痛から始まるか、前期破水から始まるかは、あくまで個人差があります。また同じお母さんでも、一人目の出産と二人目の出産でも、始まりが違うことは少なくありません。
妊娠10ヶ月に入ったら、身体が発するお産のサインを見逃さないようにしてください。

「これはもしや」と思い病院へ行き、妊娠が発覚した日から、すっかりお腹がふくらんだ今日と言う日まで。お母さんはたくさん喜んで、たくさん怖がって、そして「早く赤ちゃんに会いたい」と思ってきたことでしょう。
そんな想いと一緒にお腹の赤ちゃんと過ごしたマタニティーライフも、そろそろ終わりが見えてきましたね。
多分この数ヶ月ですっかり見慣れた大きなお腹も、もう少ししたらストンと平らになってしまうのかと思うと「少し寂しいかな」なんて感じる人もいるかも知れませんね。
自分の中に新しい命が宿り、生まれてくる日までおなかの中で赤ちゃんを育てる。それはとてもすばらしい経験であり、きっと一生の宝物になります。
だけどね、お母さん。これからは、生まれてきた赤ちゃんを自分の手で触れて、抱っこして、お乳をあげて育てるっていう、もっとすばらしい経験をする日々が待っているんです。